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日経サイエンス「新型コロナ病原体の実像に迫る」を読んだ感想

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新型コロナウィルス感染が指数的に拡大しており、世界レベルで危機的な状況です。

3月28日時点、世界で約60万人が感染しています。

下図は、米ジョンズ・ホプキンス大学が公開している情報です。

引用 新型コロナウイルスの感染状況

8割の人は軽く、2割の人が重症となる、

若い人は軽く、高齢者、基礎疾患がある人が重症になる、

などと言われていますが、実際、どうなのでしょうか。

科学系の専門誌、日経サイエンスに「新型コロナウィルス病原体の実像に迫る」を特集していましたので読んだ感想について述べたいと思います。

コンピュータ解析の進歩により、前回のパンデミックの時よりも研究のスピートが早い

パンデミック(世界的流行)は、おおよそ10年サイクルで起こっています。

2003年には、SARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年には、MERS(中東呼吸器症候群)があり、2020年の新型コロナウィルスです。

疾患名をCOVID-19(コヴィッド19)と呼び、病原体をSARS-CoV-2(SARSコロナウイルス2)と呼びます。

私は、コロナウィルスと聞くと風邪をイメージしますが、SARSコロナウィルス2と聞くと危機感を持ちます。

さて新型コロナウィルスは、最初、2019年12月上旬から感染が始まり、たった3か月ほどで世界中に感染が広まり、パンデミックとなりました。

今回のパンデミックの原因となったウィルスの特定はかなり早かったようです。

2003年のSARSの時は、ウィルスの特定に2か月かかったところ、今回は、1週間程度で特定できたそうです。

20年前と比べて病原体を特定する技術が格段に進歩しているようです。

ウィルスが特定されてから11日後には、ウィルスの塩基配列のデータをインターネット上に公開されています。

またコンピュータ上のシミュレーションにより、治療薬候補を推測する作業も進められています。

ただ、抗ウィルス剤、ワクチンの開発にはまだ時間がかかりそうです。

詳しいことは、日経サイエンスを見てください。


日経サイエンス2020年5月号(特集:新型コロナウイルス/宇宙の化学進化)

重症者の割合は?

81%は、軽症で14%が重症、5%が重篤となるようですが、年齢や基礎疾患があるかどうかによっても変わってくるようです。

子供は、新型コロナウィルスに強いようです。

9歳以下では、死亡例は0です。

ただ子供は、ウィルスには感染していない訳ではなく症状が軽いだけのようです。

年齢があがると致死率があがります。

  • 20~30代 0.2%
  • 40代   0.4%
  • 50代   1.3%
  • 60代   3.6%
  • 70代   8%
  • 80代   14.8%

基礎疾患がない場合、致死率は、

0.9%

ですが、心血管疾患があると

10.5%

に跳ね上がります。

私は、現在、55歳です。

基礎疾患はありませんが、血圧は高く、尿酸値も高い方のため、油断はできません。

日本の対応は?

早い段階で実施した国内感染者の追跡調査の結果、以下の通りでした。

  • 感染者の大半は、誰にも移していない
  • ライブハウス、スポーツジムのような密集する場で集団感染する

このことから、クラスターを見つけて抑え組む方針となったようです。

このため、新型コロナウィルス検査であるPCR検査は、感染者の濃厚接触者と重症者を優先して行われていたようです。

感染症検査の先進国である韓国よりも遅れている日本では、選択と集中の結果、このような方針となったのでしょう。

封じ込めが難しい理由

この新型コロナウィルスの封じ込めが難しいのは、潜伏期間が長いことと無症状感染者がいるためだそうです。

潜伏期間は、1日から14日と幅がります。(平均は5日)

無症状感染者は、WHOからの報告では、感染者全体の1%だそうですが、ダイヤモンド・プリンセス号の感染者の40~50%は、無症状だったそうです。

新型コロナの発生源は?

新型コロナウィルスのゲノム解析の結果、中国に生息するコウモリから見つかったコロナウィルスと96%一致したそうです。

発生源はコウモリであることが確実視されています。

ただ、発生地である武漢では、コウモリは売買されておらず、何か他の動物が媒介した可能性があるようです。

中国は、発生源は中国とは限らないと言っているようですが、いずれ研究によって明確になることでしょう。

最後に

日本は、新型コロナウィルス感染者が他国よりもかなり少ない状況です。

これは、PCR検査が少ないことが理由であると思います。

しかし、死亡者数は、誤魔化しがきかないため、正しいと言われています。

3月27日時点、46名です。

仮に日本国内での致死率が1%と考えると感染者数全体は、4600名と推定できます。

それにしても他国と比べるとかなり少ない方です。

指数的に増えている状況ではありません。

他の方も言っていますが、

  • 医療技術レベルが高いこと
  • 核家族が多いこと(高齢者と同居していない)
  • 手洗い、マスクの習慣が根付いていること

これに加えてクラスターを見つけて抑え組むという方法が効果的なのかもしれません。

本当に効果があったのかどうかは、これから分かってくると思います。

安倍政権は、5月の連休明け頃までに収束する感触を得ているようです。

そうなることを祈っています。


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