1.私たちが知っている物質は宇宙全体の質量の5%にしか過ぎない
宇宙は、私たちが知っている星、星になる前のガスで構成されていると考える人が多いと思うが、それらの物質は宇宙全体の質量の4.9%にしか過ぎない。
このことは、2003年NASAの衛星「WMAP」の観測から得られた結果である。
残りの95%が何であるかよく分かっていない。
そのため、ダークという接頭語をつけてダークマター、ダークエネルギーと名付けられた。
実はこのダークマター、ダークエネルギーは見ることが出来ない。
2.銀河団を引きとめている力がダークマターの重力
宇宙には、銀河が密集している場所がたくさんある。そのような場所は、銀河団と呼ばれる。
この銀河団は、銀河団の物質の重力だけでこのような密集した場所は生まれない。
物質以外の何かが銀河たちを引き寄せているのだ。
この何か、よくわからないもの=ダークマターの重力であると考えられている。
このダークマターは、見えている物質の約5倍の量が存在すると言われている。
そしてダークマターは、どうも銀河全体全体に広がっているらしい。
にもかかわらず、このダークマターは観測がされていない。
見えないのだ。
どうもダークマターは、原子で出来ている物質ではないようだ。
そしてダークマターは、どのような物質ともぶつからずすり抜けてしまう。
まるで幽霊のようにつかみどころがない。
特徴を整理すると以下のようになる。
①光を発しない
②どんな物質ともぶつからない
③速度はゼロ
④冷たい
⑤質量がある
ダークマターの候補にはさまざまなものがあるが、その中にあるのかどうかもわかっていない。
ダークマターの候補として考えられているもの
ニュートリノ
ニュートラリーノ
アキシオン
ミラーマター
LKP
ブラックホール
白色矮星・中性子星
褐色矮星
惑星
MACHO
最近の研究「ダークディスク」
「ダークマター」の一部は、ダークな原子となり、その原子が集まり円盤状のディスクとなるというものだ。
「ダークディスク」と呼ばれる。
「ダークマター」は陽子の100倍重いため、その重力でつぶれ薄くなるそうだ。まさにディスク状である。
この「ダークディスク」は、銀河の同じ円盤状に存在するらしい。
3.宇宙を膨張させる力がダークエネルギー
宇宙は、膨張していることがわかっている。
しかも加速している。
この宇宙を加速的に膨張させる力が「ダークエネルギー」だ。
NASAの観測衛星「WMAP」によってとらえられた宇宙背景放射の画像である。
出典 NASA
この画像を見るとまだら模様のように見える。
このまだら模様の大きさの大きさを測ることで宇宙が「平坦」(専門用語)であるかどうかがわかる。
もし、宇宙空間に物質とエネルギーが充満している場合は、凸レンズのような効果により、大きく見える。
逆にすかすかの場合、凹レンズのような効果により、小さく見える。
実際に測定した結果、大きくも、小さくもなく「平坦」であるという結果となった。
宇宙の目に見える物質4.9%とダークマターを加えても、上記のような「平坦」にはならない。
「平坦」にするためには、目に見える物質4.9%とダークマターの約26.8%とあと残り68.3%の「何か」が不足しているのだ。(この比率は2013年に公表されたプランクの観測結果より)
この何かわからないものを「ダークエネルギー」と呼んでいる。
この「ダークエネルギー」は、宇宙に均一に存在しているらしい。
引用 Wikipedia 著作 Szczureq
参考文献
ダークマターとダークエネルギー―宇宙の96%を占める未確認の質量とエネルギー (ニュートンムック Newton別冊)