2018年1月6日から2月4日まで上野の森美術館において「生賴範義展」が開催されている。
生賴範義は、1935年生まれのイラストレーターである。
生賴範義の名前は知らなくてもイラストはどこかで見ていると思う。
子供の頃から生賴範義のイラストはいたるところにあった。
戦艦大和のプラモデルのイラストや平井和正の小説「幻魔大戦」のカバー、PCゲーム「信長の野望」、「三国志」のカバーなどである。
プラモデル、文庫の表紙以外にも次の写真のような中吊り広告も手がけている。
生賴範義は、
生活者としての絵描きは肉体労働者にほかならぬ
と言っているように依頼された仕事は、ほどんと引き受けていたそうで、ひたすらイラストを描いていた。
ゴジラのポスターも生賴範義のものである。
「ゴジラVSビオランテ」
「ゴジラVSキングギドラ」
「ゴジラVSメカゴジラ」
「GODZILA」
次の写真は、「生賴タワー」と呼ばれるものだ。
「生賴タワー」
生賴範義が描いたイラストの文庫本が並べられている。
平井和正の幻魔対戦、ウルフガイシリーズなど昔読んだことがある、見覚えのある表紙である。
映画のポスターは、メテオ、テンタクルズ、スターウォーズなど数多くある。
「生賴タワー」
「大藪春彦まつり」
大藪春彦の文庫本の表紙も生賴範義である。
「蘇る金狼」など昔よく読んだ。
次の写真は、幻魔大戦のベガである。
デザインがもの凄い。
イラストレーターとしてだけでなくメカのデザイナーとしても凄いものがある。
「幻魔大戦のベガの正面」
「幻魔大戦のベガの後ろ姿」
「幻魔大戦のベガの横」
生賴範義のイラストは観ているだけでその世界感が広がる。
次の写真は、昔あったSF雑誌「SFアドベンチャー」の表紙に使われたイラストである。
「SFアドベンチャーのヘロディア」
「SFアドベンチャーのイヴ」
次の写真は、「我々の所産」で大きな作品である。
生賴範義は、特にSFのイラストを書かせたら右に出るものはいないだろう。
「我々の所産」
「破壊される人間」
生賴範義は、戦争中、爆弾で人間が跡形もなく吹っ飛ぶところを見たそうである。
衝撃だったに違いない。
そのような体験から「破壊」という言葉を使っているのかも知れない。
生賴範義は、2015年に肺炎で亡くなっている。(享年79歳)
もう、二度と生賴範義の新しい作品が見られないのは悲しい。
そして生賴範義のようなイラストレーターは表れないだろう。
生頼範義 緑色の宇宙 (玄光社MOOK illustration別冊)